場の量子論入門
素粒子物理の言語。粒子を「場の励起」として捉え直すと光子・電子・ヒッグス粒子が統一的に記述できる。
「粒子」を捨てて「場」で考える
量子力学は粒子の波動関数を量子化する。しかし相対論と矛盾が生じる(粒子の生成・消滅が記述できない)。
場の量子論の革命:場そのものを量子化する。電子も光子も「場の励起」に過ぎない。
ポール・ディラックが相対論的電子の方程式(1928年)とアンチ粒子を予言。ファインマン・シュウィンガー・朝永振一郎がQEDを完成(1965年ノーベル賞)。湯川秀樹は中間子交換で核力を予言(1949年ノーベル賞)。
場の量子化
スカラー場 を例に:
解を生成・消滅演算子で展開:
:運動量kの粒子を「生成」する演算子
ファインマンダイアグラム
相互作用を摂動論で計算するとき、各次数をファインマンダイアグラムで視覚化する。
各頂点(電子-光子の相互作用)は結合定数 (素電荷)に対応。
ダイアグラムの次数 = 頂点の数 → 細かいほど高精度の補正
内部線(仮想粒子):質量殻に乗らない「オフシェル」粒子の伝播。
繰り込み
ループダイアグラムを計算すると紫外発散(無限大)が現れる。
「裸の電荷・質量」に紫外発散を吸収させ、観測量(測定される電荷・質量)を有限値に定義し直す。
QEDは繰り込み可能:有限個のパラメータ再定義で全ての紫外発散を吸収できる。
QEDの成功:異常磁気モーメント
電子の磁気モーメントの補正:
「人類が達成した最高精度の理論的予言」と呼ばれる。
標準模型
QED(電磁力) + QCD(強い力) + QFD(弱い力) を統合。
ヒッグス機構でゲージ対称性を自発的に破り、W/Zボソンに質量を与える。
2012年LHCでヒッグス粒子(質量125 GeV)を発見。
LHC(CERNの大型ハドロン衝突型加速器)での実験はすべてQFTで解析。量子コンピュータの誤り訂正理論もQFTのアナロジーを使う。
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確認問題
Q1.場の量子論で電子と光子の相互作用を記述する理論は何か?
Q2.ファインマンダイアグラムの物理的意味は何か?